儚げに散るは桜花か...
†PROLOGUE†
『僕と一緒に来ますか?』
そう言って或るマフィアを壊滅させた少年―――六道骸は、目の前にいる2人の少年―――城島犬と柿本千種に手を差し伸べた。
犬と千種は言葉こそ発しなかったものの、差し出された手をそっと握っている。
『貴女も一緒にどうですか?』
そして骸は、部屋の奥にいる緋色の髪の少女へと同じように声をかけた。
『アタシは遠慮しとく。他人と行動を共にする必要はないと思ってるから。それに――――――――――』
しかし少女はそれに応えることはなく、血に濡れた鉄パイプを握りしめながらそう言って部屋を出ていった。
―――少女の名は。
彼女は後に、“輪廻の覇者”の二つ名を持ち、周りから恐れられる殺し屋へと変貌するのである。
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